「偶然とか無意識が入ってないと面白くないんだよ。」
pcの音声ファイルを整理していると昔友人の家で、録音したただの会話のデータが出てきた。
ないやら俺が偉そうにしゃべっている。どうやら酔っぱらってるかなんかだ。(きっとなんかのほうだ)
「チャンスオペレーションの類もダメ」
いよいよ偉そうである。なんせケージの技法を否定している。アメリカを敵に回す気である。
この時の事はなんとなく覚えている。
プレグレを懸命になって聴いていた頃の話だ。
プレグレは複雑にみえて、細部まで構築されたそれこそ型にはまった音楽であることがほとんど。
ただ、その技法が魅力的だった。
ただレコ屋の”括り”でいうプログレは所詮、数箱しかない。
何とか盤とかいうレア盤、くそ盤は他方に派生しているが、それさえ無視すれば、たいして聴くもんもない。
そんな時、心の師匠にsoft machineの存在を教わり、それがプログレ箱に埋まっている事を知る。
丁度、バロウズを読んでいた事も重なり、soft machineという名前だけで興味が沸いた。
はじめ買ったのは”3”。ぶち壊れたjazz(荒いとかそうゆうことではなくて)は、なぜプログレの箱にあるのかは意味が分からなかったけれど、その時聴いた瞬間すら先進的ではあった。
その後、出ているだけのsoft machineのアルバムを買い(ライブ盤除く)、
多数のメンバーチャンジを繰り返していることもあり、各メンバーのソロにも手を出してみた。
中でもケヴィン・エアーズ、ロバート・ワイアットのソロは興味深いものがあった。
特にワイアット。
事故によりドラムを叩けなくなった彼は”声”で音楽を続けた。(その他、極簡易的楽器や機材)
坂本教授がワイアットの声を指して、”世界で一番悲しい声”をいう発言を残しているけれど、
これを知った時、また少し教授が嫌いになった。
ワイアットのrock bottomというアルバムがあるが、気が向くとそれを聴いていることが多い。
昨年発売されたcomicoperaももちろん素晴らしいけれど、まだ聴き切れていない感がある。
自分にとってのrock bottomには、よくわからない空気が流れる音楽だ。(音楽かもわかならい)
ワイアットの音楽は、どこかに向かっていく感じがある。
あまりに彼が自然体の為、変な表現だけれど、彼の中にはいっていくようでもあるし、
そこら一帯が彼になるとも捉えられる。
ただ空気が振動しているだけとは思えない。
そんな体験が「偶然や無意識がどうのこうの・・・」という発言をさせているんだと思う。
レコ屋に行く度にいい音楽には見つかったりするけれど、
なかなかこうゆうのはないんだよな・・・。
ハービー・ハンコックのリバーが米グラミー賞で最優秀アルバム賞を獲得していた。
すごくいいし、びっくりしたし、よく聴くけれど・・・。
結局はタイミングのなのもしれない。
要はここ数年音楽を聴く体制がととのっていないってことか。
残念なヤツだ。
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