近所の映画館のレイトショーはほぼ貸切で鑑賞出来る為、夜な夜な足を向ける事がある。
大概一番くだらないものを選んでいるように思うが、それも趣味なので仕方がない。
そういえば、12月8日公開の”PEACE BED”。これもきっとくだらない部類にはいるのだろう。
あの類の映画を見終えた後の、映画館内の情景想像すれば、それは末恐ろしい。映画館総社会派空間である。
映画を見終えた後のインタビューを稀に見かけるけれど、あれほどヒドイものもない。
さておき、
ネットで映画情報を調べていると、なにやら久し振りに目についた文字があった。
”グミ・チョコレート・パイン”
である。
脳内back to the PLANET in asagaya。
6~7年前に、私たちの年代からいうと”フリーター”が持て囃されていた頃、阿佐ヶ谷に住んでいた某cobraも 諸事情により、昼は睡眠、麻雀。夜はdj、ビデオ屋バイトという”フリーター”という言葉がなかった70年代から続く中央線住まいの若者のような生活を送っていた。
彼は暇を縫っては、多方面のあまり役に立たない情報を集めていて、私もその話を聞くのが好きだった。
今思うと、周囲が社会へ羽ばたこうとしている最中に、お互いイケナイ方向に突き進んでいたようにさえ思う。
そんなある日、いつも通り彼の家に深夜に到着。お隣のラウド君(パンクミュージックを朝方まで熱唱する男)を横目に、エレクトロミュージック全開で朝方までしゃべり続ける普段通りの部屋。
彼は大槻ケンヂの”グミ・チョコレート・パイン グミ編”という一冊の本を推し進めてきた。
もちろん大槻ケンヂが本を書いていた事も知っていたし、100円で中古屋に並べられていることも知っていた。
筋肉少女隊が伝説と呼ばれることに対しての疑問は大いにあった。
そのころ私は今よりさらに偏屈な性格でもあったので、なぜ「大槻を読まねばいけない・・・」とも思ったと思う。
「はじめの5ページだけでいいから!!」というような事を彼は言ったと思う。
仕方なくと5ページ読んだら終りである。
ゴンヌズバー!
と、
とても言い表せないエネルギーに満ちている。
世のモテナイ男性諸君の夢(わりと単純な)や希望(妄想)が煮えたぐっている。
内容は本を読んだほうが早い。ただ20歳以下のモテナイ男子にしか理解できない内容ではあるし、
私自身1度読んで売っぱらってしまった。(そのくらいがいい)
その後、阿佐ヶ谷の彼からグミ編、チョコ編を立て続けに借りて、通学の電車で読む数日間が続いたが、
その際の私は、電車内一人噴き出す怪しい男でしかなかった。(パイン編はまだ発刊されていなかった)
後にパイン編はグミ編の勢いはないよ。という噂を聞き、結局いまも読まずじまい。
最近文庫になっていたので買ってもいいかなと思うも結局手が伸びないでいた矢先に映画化である。
それも監督がなんと、ケラリーノ・サンドロビッチである。
バンド”有頂天”のケラではないか。
さらに音楽は電気グルーヴ。ピエール瀧に関しては出演までしている。
大槻ケンヂ自身にとって、これとない形であることは間違いないし、
学生の頃から周囲にいた彼らがこのような形で今もなお同じ作品を共有できるというのは、とてもうらやましい。
あぶなく奇麗な話になりそうだったが、学生時代の彼らはそれはもう想像を絶するものに違いはない。
というわけで映画化でどうなるか。
なんなら”グミ編”のみの映画化のほうが期待はもてるが、大槻だってケラだって大人である。
それを求めている人間を相手にしてもしょうがない事くらいわかっているのだろう。
噂では、”山之内のじ−さん”は出てこないらしい。
もったいない。
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