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鈴木幸希
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at cosoop
2007/10/10(Wed) 23:37:12

”『シュルレアリスムと美術』‐イメージとリアリティをめぐって”
を観に横浜美術館へ。

芸術そのものへの影響が大きいとはいえ、ブルトンのシュルレアリスム運動そのものが難解なもの。
そんな展示会へ結構な来館者がいた。(とはいえ、休日の横浜美術館にしては少ないように感じたが)

来館者は夫婦やら恋人達、美大の学生といったところ。(異国の方も多数)

この場でシュルレアリスムクイズ(超現実問題ではない)などがあれば、優勝は自分に間違いない。などと無駄な核心を秘め、強い心持で観覧に向かう。(なんせアンドレ・ブルトンは意識しないといけない存在なのだ)

館内は部屋ごとに第Ⅰ章から第3章に分かれている。
よくある、時代背景で追う美術館スタイル。

受付を済ませ、初めの部屋へ入ると、ハッとさせられる。
これはシュルレアリスム運動の展示会ではなく、あくまでも”シュルレアリスムと芸術”という括りの展示会だったわけだ。

シュルレアリスム運動について取り上げるならば、序章にブルトンの自動記述が来ないのはおかしい。(デ・キリコの絵画があるのはわかるが)

シュルレアリスム運動は文学から派生したもので、自分自身、芸術よりもその辺の事情に興味があった。
(それこそブルトンのシュルレアリスム宣言に心踊らされたのも事実だ)

そんなこんな少しトーンダウンしながらも、『シュルレアリスムと芸術』というメインタイトルに嘘はない。
気持の切り替えが必要である。

ボケっとしながら、展示会を見ているとハンス・アルプの名前がある。

彼は私の前世であろうトリスタン・ツァラとともにダダイズム運動を始めた人物。
前世が関わりあった人物に心踊らないわけもない。
彼の作品はその名も”トリスタン・ツァラの影の肖像”というものだった。

塗装された板を異型に切り取りパズル上にした作品。
影の肖像がなにを指すのかは一見では理解しがたい抽象作品だ。
ただなにかうれしかった。

今回の初期目的は彼らのこうゆう面に触れに来たようなものだったわけだ。

その後はマックス・エルンスト、デュシャン、マン・レイ、ミロ、クレーなどお腹いっぱいである。
マン・レイの”贈物”をみれたのはうれしかったが、なにかどこかで観たよな気もしていた。
後で調べるとそもそも横浜美術館蔵の作品のようだ。
あそこで以前観ていたらしい。(感動さえ、いい加減なもんである)

resize.jpg




←マン・レイ 『贈物』(悪魔超人にこんな手のヤツがいたが名前浮かばず)








第Ⅱ章会場へと移ると、
エルンストの自動デッサンやデカルコマニー、フロッタージュ、グラッタージュなんかの技法を用いた作品が紹介されている。

このように技法ばかりズラズラ書くことは実際あまりしないほうがいいのだろう。
この技法を持ちいれば、シュルレアリスムのスタイルになると勘違いされてもしょうがない。
コラージュなど、その典型であろう。

現代にみるコラージュなどは、大概 破り捨てたくなる。(もちろん例外も多々あるけれど)


←エルンスト”セレベスの像” コラージュによるもの

彼のコラージュ作品は油絵を使用し、”つなぎ目”を隠しています。
それはイメージの連続性を重点に置いた為だと考えられます。

例えばそれぞれの物体に対してのイメージがあるとして、それを足すことは簡単です。(現在のコラージュ作品のほとんどがこれ)
イメージのつなぎあわせを補正することで、それぞれのイメージが未知の方向へ進んで行きます。

自身でも想起できないところにいってしまう。

フロッタージュにしてもコラージュにしてもマックス・エルンストの技法でしかないのかも知れません。

第Ⅲ章はシュルレアリスム以降の作品、広告など。
要はその影響化にあるもはやシュルレアリスムでもなんでもない作品。

フランシス・ベーコン、ヨーゼフ・ボイス、草間ヤヨイ(←漢字でない)、森村泰昌など、「もはや・・・・・」な感じ。

楽しめるけど、なんだかムカつきもした。

結局のところ、美術館内の資料館で本みているほうが為にはなった今回。

自身の心持と展示会内容とのギャップが埋まり切らず、複雑な気持ちのまま退散。
※基本とてもいい展示会だと思いますし、なかなか一斉に見る機会はない作品が揃っているようです。(まー国内寄せ集めであることも確かなんだけれども)

旧友に誕生日祝いの連絡を入れるので終了。(いい人だ)

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