ひさしぶりに、まだ気心しれない人に「夢はななんですか?」なんて聞かれたもんだから、そんなに夢のない顔をしているのか!と心で憤慨しつつも「レコード屋をやりたい」と答える。
「そうなんですかぁー」なんて笑顔をみせるもんだから、なぜか、その笑顔に久しぶりに頭にきていたのはわかったし、こうゆうことで頭にくるだ俺・・・・みたいなことも思った。
レコード屋をやりたいとこちらが言うと、ろくなビジネスにならないことくらい皆知っているようで、心配してくれたりする。
なにかと併用したお店にするとか、自店サイトを儲けるとか、店舗は借りるより買ってしまったほうが、店が無くなった時に売却できるからいいとか。
人の夢に向かってアドバイスをくれるのも変な話である。
「私は海になりたい」という夢に対して「地中海がいいよ」とアドバイスするのと同意味だとおもうのだけれど。
いつからレコード屋をやりたかったのかというと、少し曖昧な思い出になるんですが、学生の頃になにかの雑誌で見かけたイギリスにあるレコ屋、rough trade shopの記事を読んでから。
興味を持った同時期に西新宿にraugh trade shopがあることを知り、上京して早速行ってみるとニンジャチューンの箱が5箱くらいあって、当時はかなり興奮。
そうこうしているうちに渋谷区のとあるビルの4階に移店。店が奇麗になって商品の幅も広がり一見幸先良さそうなスタートをするも、いつ店に行っても誰もいないか2~3人。
4階という立地のわりに看板すら目立たないときたら、なかなか見つけることもできない。
半年~1年くらい経った頃、再度移転の案内張り紙が店内に貼られていることに気がつき、翌週かなんかに行った時には店は閉店、中にレコードもない様子。
移転先の張り紙だけがドアに貼られていたが、新店舗のオープンは1ヶ月後。
張り紙に書いてあった場所をメモしてあったのでオープン日時に行ってみるも、レコードのないガラス張りの空き店舗しかない。
オープンが遅れることはよくあることだと、忘れた頃にまた行ってみるもカフェになっている始末。
ネットで調べるも、4階店舗の閉店が最後の情報である。
きっとなにかの都合で新店舗の話は流れたのだろう。インディーショップなんていい加減なもんだ。
それから5年、昨年の10月にrough trade japan発足のアナウンスがされ、12月には本格始動するとのことだった。
あくまでレーベルとして事務所を株式会社FAEC事務所内に構えた形だからレコードショップというわけではないようです。
学生の頃 雑誌でみたイギリスのrough trade shopの写真の記憶がいまだに夢として形を留めているってのも変な話だけれど、どうもrough tradeには幻想を抱きがち。いずれ来るであろうイギリスrough trade訪問は願ってもない楽しみなのだけれど、ある意味アンコールワットを観に行くのと同等の意味合いなもんだから、店舗を目の前にするのも少し怖い。現状がどうなっているかはわからないし、時代は変わるんだろうし。
レコード屋というと映画scratchでdj shadowがレコード愛について語るシーンにでてくるおじいちゃんのやっているレコード屋にも必ず行きたい。
←ここ。
レコード屋をやりたいという夢は、やろうと思えばできるけれど、やりたいレコード屋は、現在の知識では到底できない。レコードは死ぬほど奥が深いし、その溝に入ったら出られない魅力もあるもんだから、中途半端にはできないんです。
つぶれてもいいから「あの店よかったねー」なんてレコードジャンキーが言うような店がやりたいわけで。
だからこそ現在の自分にとっては夢なのだと思う。理想のレコード屋は、それこそ夢のような音楽だらけなはずだから。
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